
その昔、タカシ君という子供がいた。
姉と弟のふたり兄弟の弟であった。
弟ではあるが、
長男である。
ただ、やや、ぼんやりしている性格らしく、頼りなかった。
そのせいか、両親からいつも、言われていた。
「タカシ、あんたは、
ちょうなんだからネ」
両親としては、男の子として、しっかりして欲しかったのだ。
「
ちょうなんだから、ちゃんとしなさい!」
「
ちょうなんだから、ピシっとしなさい!」
そんなある日のこと・・
タカシ君は、両親の前で、ピシっと姉を指差し、問うたのだ。
「ボクは、
チョウなんだよネ。
だったら、お姉ちゃんは、
トンボ?」