
~昨日の続き~
自転車をこぎ、1時間掛けて辿りついた私の目には、
大量の人間が映っている。
<実相寺>(じっそうじ)
地元京都の方に、
「
床にモミジが映る」から行っといでと言われた景勝地だ。
入口で靴を脱ぐのだが、余りの混雑に、
今、脱いだ靴が見えなくなる。
入口と出口が同じである為か、
静かな阿鼻叫喚の世界がそこにある。
自らの意思で前進するのではなく、
大きな人の流れにのってゆくと、
ソレはあった。
ピカピカの床に、モミジが映っている。
写真撮影は禁止なので、目に焼き付ける。
焼き付けた私の目のフィルムには、
床に映る真っ赤なモミジを切り取るように、
いくつもの黒い頭の形が、重なっている。
頑張って思い出してみても、頭の面積の方が多い。
屋内は撮影禁止だが、外はいいと云うので、外廊下に出る。
いや、押し出される。
おお!、素晴らしいモミジの花盛りだ。
ん・・?花は咲いてないな。
モミジの
枯れ盛りだ!
早速、カメラを取り出す。
しかし!
目の前には、大勢の人間の頭がある。
そればかりではない。
その頭の横から、今度は、手が突き出され、
カメラや携帯が握られている。
私の目に焼き付けられたのは、
モミジの前にはだかる腕である。
まるでフラミンゴの首の如く蠢く、腕のダンスであった。
余りの人ごみに呆れた私が、次に目指した先は、
広大な敷地を持つ寺、
<南禅寺>(なんぜんじ)である。
又、明日・・
