
人間は、<飽きる>動物である。
何かを続けたいのに、すぐ飽きる。
何かをさせたいのに、すぐ飽きる。
何かを観せたいのに、すぐ飽きる。
そう!
観せたいものは、
芝居だ、
映画だ。
その中で、今日は芝居の話をしよう。
劇場で芝居を観せるのは、至難の業を駆使しなければならない、
只でさえ飽きやすい人間が、集まっている。
食事をする間もなく座っている人もいるだろう。
早く帰らなきゃいけない人もいるだろう。
ラブラブで、芝居どころでないカップルもいるだろう。
そのありとあらゆる人達を、
飽きさせない工夫をしなければならない。
その為に、大昔から様ざまな工夫が行われてきた。
その中で、最も有力な工夫が、
<
場面転換>
突然、時間も場所も、設定も全く違うモノにしてしまうのだ。
その違いが大きい程、人は、新鮮な気持ちになってくれる。
例えるなら、アジの刺身で日本酒と、舌鼓をうっていた処へ、
ジュウジュウと焼けたラザニアを、御出しされた様なもんだ。
っと、その気になっていると、
抹茶アイスをどうぞ・・
場面転換のポイントは、新鮮さである。
新たなモノが現れた事に、人は惹きつけられる。
惹きつけられ、しばし、時間の感覚を忘れる。
ところがところが、人間は、
飽きる動物である。
すぐまた、飽きてしまう。
見せる側としては、新たな新鮮さを与えなければならない。
今度は、音楽で、脅かしたり、光でびっくりさせたり・・
芝居の演出とは、《飽きる人間との闘い》である。
