年に何度か、築地魚河岸に行くことがある。
何をしに行くかと云うと・・
魚を見に行くのである。
東京の台所事情を確かめに行くのである。
もうひとつ楽しみがある。
昼ごはんだ。
場内、場外に様々なご飯屋さんがある。
寿司を始め、丼モノまで、盛りだくさん。
魚の新鮮さにかけては、築地魂がものを言ってくれる。
「今日は、どの店に入ろうかな?」
プラプラしていたら、一軒の気になる店が目に入った。
<豊ちゃん>
店の入り口のガラスに、
「コレを食べなさい」と張り紙がしてある。
《ハヤシオムライス》
たぶん、オムライスの上に、ハヤシライスのトッピング、
つまり、
デミグラソースがかかっているのだろう。
座った椅子は、丸くて真ん中に穴のあいた背凭れのない奴だ。
果たして、注文後に出てきたのは・・
まさしく
オムライスにデミグラソース掛け。
ただし、ライスはケチャップで炒めてなく、
白いライスそのまま。
スプーンで食べる。
お味は・・・
椅子から転げ落ちそうになるくらい旨かった。
食べ終わった皿を、思わず舐めそうになってしまった。
値段も
そこそこした。
ん・・しまった・・魚を食べに来たんじゃなかったっけ?
わざわざ、魚河岸まで何をしに来たんだろう?
うう・・
帰りしな、たまらず高価な魚に手を出してしまった。
<関サバ>
1キロ相当の、高級魚 関サバを買ってしまった。
そこそこどころの値段ではなかった。