<パシュート、スケート>
3人で滑る、トラック競技だ。
この競技、おそらく元々は、自転車競技が発祥と思われる。
風の抵抗を、いかに軽減させるかの戦いでもある。
日頃、自転車を漕いでいて感じるのは、
登り坂より辛いのが、<向かい風>である。
スピードが上がれば上がるほど、風当たりが強くなる。
その時、誰かの自転車の後ろにピッタリくっ付いていると、
風当たりが弱くなって、楽になる。
こんなに違うもんか、と感心してしまう。
そう云えば、その昔、
中学の野球部で、先生に全員が叱られていた時、
後ろの方で、体の大きな人の後ろに居たけんじろう君は、
あまり、怖くなかったもんだ。
卑怯でなければ、
強風には当たりたくないのが、
人の常ってもんだ。
ところが、
強風こそ大好きって人達もいる。
言わずと知れた我々ウインドサーファーだ。
強風どころか、<爆風>なんて言葉に、ウキウキする。
<烈風>なんて単語に、目が真ん丸くなる。
<ストーム>だの、<吹き荒れる>だの、<疾風怒濤>だの、
傘がひっくり返る自然の状態を望んでいるのだ。
オリンピックの競技に於いて、
風との戦いに苦しんでいる選手は、
スピードが速い選手である。
パシュートの先頭を走る選手は、偉いのだ。
風が吹いている訳でもないのに、強風を感じている。
叱っている先生の、
一番前に立っていた野球部員は、
偉かったんだなぁ。