チリリリリリリ~~
目覚ましの鳴る音である。
ところが、我が家では、こんな音がしない。
なぜか・・?
朝、私の目が覚める。
目覚まし時計が
働いたのが原因だ。
だが、その
働きが極端に少ない。
『チリリッ』などと、
(リ)が重なって聞こえたためしがない。
『チリッ』
の直後に、頭を叩かれる。
「おいらは、秒殺されたのかしらん」
目覚まし君が、首を傾げる羽目になる。
そんなのは、まだ良い方だ。
『チッ』
の瞬間に、頭を叩かれる朝もある。
(り)の、Rのアルファベットが参加出来ないのである。
それほど、我が家の目覚まし君は、主張した段階で、
「黙れ!」との反撃が来る。
そのスピードは、更に加速している。
どのくらい加速しているか、検証しよう。
『チッ』の段階は超えた。
今では、
『チ』の響きで、頭がドツカレる。
すなわち、(チ)の後の小さな(ッ)まで、待ってくれないのだ。
しかも、更に更に~加速していた。
『TI(チ)』の子音の段階、つまり、
『T』
が発せられた刹那に、
バシッ!
頭が叩かれる。
言い換えれば、夜中に、目覚まし君の中の機械が、
100分の数秒、
信号を発した音を聞き分けているのである。
私が寝ている所を再現しよう。
く~く~
T
バシッ!
我が家では、働き甲斐のない目覚まし君かもしれないが、
役目はしっかり果たしてくれている。
私に『T』の音を聞かせているのである。
ありがとネ、目覚まし君。
で、その反動なんだネ。
私が早めに起きてしまい、頭を叩き忘れてしまった君が、
12時間後に鳴り続けているのは・・
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ