この写真の水しぶきは、なんでしょう?
<爆沈>
ウインドサーフィンは、高速で走ることが出来る。
上級者になると、時速60キロ、70キロというスピードが出る。
世界レベルになると、90キロを超え、
ほどなく、100キロの壁を破ろうとしている。
時速100キロとは、一秒間に、33m移動するのである。
72キロでさえ、一秒間に20mである。
そんなスピードで転倒する事を、<爆沈(
ばくちん)>と呼ぶ。
爆沈すると、道具から離れた身体が、大の字になって、
水面上をキリキリと舞ってゆく。
キリキリ舞えば、相手は水面だ。
さほどの衝撃とはならない。
問題は、道具と共に、爆沈した時だ。
相手が、水ではなく、硬いマストやブームだと、
手ひどいしっぺを喰らう。
しばらく、水面に夢うつつの状態で浮かんでいることになる。
冒頭の写真の水しぶきは、5mの高さまで挙がっている。
相当の急ブレーキがかかったと推測される。
その瞬間に、
道具から、上手に
離れるスベを身に付けなければならない。
爆沈もワザのうちである。
なかには、いつ見ても、爆沈している人もいる。
水しぶきを挙げ、目を真っ赤にしている。
爆沈が趣味なのかもしれない。
クラッシュ好きのスタントマンに相通じるところがあるのかも。
「今日は、どうだった?」
『3回も、ぶっとばされちったあ~!』
自慢している。
年に一回、有るか無いかしか爆沈しなくなった私にとっては、
羨ましい返事である。
そうそう、冒頭の爆沈のあと、
蒼い空を眺めながら、しばらくの間、水面を漂っていた。
よし・・まだ生きてる!