温泉に行くと、その湯の効能が書かれて貼ってある。
効き目をアピールしている。
湯を飲めとも、勧めている。
湯口にコップを置いて、是非と勧めている。
八ヶ岳の中腹に、古い温泉があった。
<稲子湯>(いなごゆ)
ひなびた温泉の先をいく、
ひなびきった温泉であった。
入口の壁に、効能が書かれてあるのだが、
明治時代に、その効能を調べたと記されている。
ガラガラガラ
ザブ~ン
ひなびきっているので、客が少ない。
独占だ。
湯口にやはり、コップがあった。
飲めと書いてある。
飲んだ。
驚いた。
これまで、様ざまな温泉の湯を飲んだものだが、
こいつは、しびれた。
文字通り舌がしびれた。
三陸のホヤをやや腐らせたようなシビレ方だ。
喉が、オエっと音を発した。
まずい!
コップ一杯が飲めない。
良薬口に苦し・・と云うが、
苦しのレベルではない。
となると、身体には相当良いと思われる。
思われるのだが、こいつはよほど身体が悪くないと飲めない。
したがって、よほど悪い方には、お勧めかもしれない。
山歩きの後、湯に漬かったのだが、
疲れは、一気にとれた。
翌日も筋肉痛にならなかった。
稲子湯・・おそるべし。