<そうだ、海に行こう!>
なにかを完璧にパクったキャッチフレーズで、
芝居仲間を海に誘った。
芝居の休日に、海で遊ぼうというのだ。
都会の舞台空間から、陽射しあふれる海岸に行くのは、
役者として、勇気がいるものである。
ところが、出演者数名が喜びいさんで、海へ向かった。
<海水浴>
私自身、何十年ぶりの海水浴である。
年がら年中、海でウインドや、釣りや、潜ったりしているのに、
いわゆる、海水浴をしなくなった。
しなくなって久しいと、
海水浴が何をするものか、
解らなくなっている事に気付いた。
従来の
ただ泳ぐだけという単純な遊びが、
出来なくなっている自分に気付いたのである。
取りあえず、シュノーケリングと、パドルボードを持っていった。
三浦半島にある地元の人しか行かないビーチに立った。
子供たちがキレイな水辺でしぶきを挙げている。
我々も、すぐさま水に飛び込んだ。
しぶきを挙げた。
挙げながら、なんか変だなと首を傾げた。
良く見たら、我々だけだった。
ウエットスーツを着ているのは・・
皆、海水パンツ一丁である。
裸で海と戯れている。
我々だけである。
海用の遊びの衣装を着ているのは・・
ウインド用のウエットスーツで、海水浴だ。
私に強引に着せられた役者連中も、災難である。
まあ、おかげで、クラゲに刺されなくて良かったでしょ。
日焼けもしなくて良かったでしょ。
プカプカ浮いて良かったでしょ。
とても急いで海に飛び込みたかったに違いないスリッパの脱ぎ方