どうです?
この夕焼け・・
美しい・・
ふむ、ただ美しいという感想だけですか?
なんか
変じゃないですか?
《斜めに走っている影の線は何?》
まず、撮影場所を教えよう。
東京の東京駅の近くから、西の方角を見ている。
つまり、関東平野に日が暮れようとしている。
太陽は、丹沢山系に沈んでいる。
その上空に雲が何層か、重なっている。
茜色に染まった雲は、上空
数千mの高い所にある雲だ。
巻積雲という雲である。
その巻積雲が、何かに遮られて、影を作っている。
1万mほどの高さにある雲を遮れる物体って何?
<富士山>?
すぐに、調べてみた。
国土地理院の地図に照らし合わせてみたが、
角度が違った。
あそこには、富士山はいない。
答えは、簡単だ。
ただの<雲>である。
ただし、条件が揃わなければ、こうはならない。
丹沢山系より遥か西で、太陽に近い場所に、
その雲が無ければならない。
こういう実験をしてみよう。
アナタが懐中電灯を持ち、
天井にその光を向ける。
懐中電灯から離れた所に、握りこぶしを作る。
その影は、小さな影しか作らない。
ところが、握り小ぶしを、光源に近づけると、
上方の光の輪に大きな影が出来る。
この夕焼けの不思議な影は、こうして出来たと思われる。
と云う事は、あの影をつくる雲は、
かなり大きな塊りであり、相当
高い所になければならない。
しかも、その雲と太陽の間には(低空にもかかわらず)、
何ひとつ、雲も物体もあってはならない。
ある意味、とても珍しい現象と云える。
「そんなのしょっちゅう見るよ」
というアナタ。
けつまづいて転ばないように・・
私のように。
39年前の八ヶ岳の夕焼け