地震、雷、火事、オヤジ
我々ウインドサーファーにとって一番怖いのは、
<カミナリ>だ。
湖などで、ウインドサーフィンをやっていると、
ゴロゴロゴロ~遠雷が響いてくる。
スワっ!
慌てる。
なんたって、ウインドの道具のマスト部分の素材は、
カーボンなのだ。
カーボンとは、電気を積極的に通すことで知られた素材である。
伝導体と言ってもいい。
静電気の実験で、布に擦りつけていたのが、カーボンの棒だ。
ウインドとは、そのカーボンマストが水面から、
ほぼ垂直に5mほど、突き立っている。
まるで
ココに落ちて下さいと言わんばかりだ。
避雷針を高くかかげて、湖の上を漂っているとも云える。
おまけに、そのマストに繋がっている、
ブームという横棒を我々は握っている。
もちろんこのブームもカーボンで出来ている。
避雷針に繋がった電気線を握っていると言い換えてもいい。
ピカッ!
どこかで、光ったような気がする。
と同時に、心臓がバクバク、早鐘を打つ。
早く陸地に戻らねば!
早く、避雷針を捨てなければ!
ゴロゴロゴロ!
まだ、遠く・・だろうか?
もう、すぐ近く・・だろうか?
道具を捨てて、水に飛び込んで、
潜っていた方がいいのだろうか?
ドカ~~~ン!!
うわあ~どこかに落ちた音だゾ。
湖畔まで、あと100mだ。
頼む!落ちないでくれえ~~