
ツクツクホーシがやっと鳴きだした。
セミ採り名人イシマルが、それぞれのセミを捕まえてみよう。
捕まえ易さを1~10のレベルで表現している。
10が最も難しい。
<クマゼミ>
一番ずうたいが、でかいセミである。
ワシワシワシワシと鳴き、最もうるさい。
箱根の山より西に住んでいる筈だったのに、
最近東京でも、見かけるようになった。
でも、東北の映画なのにクマゼミが鳴いていたら、
それはロケ地が、西だったんだネ。
白っぽい木を好み、やや高い所を鳴き所としている。
レベル3
<アブラゼミ>
ジャージャージャーと、油でてんぷらを揚げている音に、
鳴き声が似ているから付けられた可哀相な名前である。
羽の色が、枯葉色なので、人気がない。
「セミが鳴いている」と言えば、殆んどがアブラゼミだ。
高い場所から、低い場所まで、どこでもトマル。
家の壁にもトマルし、電柱にもトマル。
歩いている人の帽子にもトマルし、
犬の腰にトマッテいるのを見た事もある。
レベル5
<ニイニイゼミ>
最も身体が小さい。
小指の先くらい。
チイチイと鳴く。
羽の色を、木の模様に似せている。
すぐに捕まる。
レベル2
<ミンミンゼミ>
ドラマや映画で、セミが鳴いていると云えば、このセミだ。
ウイ~ン、ウイ~ンと鳴く。
高い所にとまっているので、見つけにくい。
背中が緑色をしているので美しい。
クマゼミよりやや小さく。
羽も透明だ。
やたら鳴くくせに、人が近づくのを嫌がる。
レベル8
<ツクツクホーシ>
こいつが鳴き出すと、秋だ。
クマゼミをそのままこぶりにした様な姿であるが、
そのスレンダーさが、かっこいい。
ツクツクは、細い木にとまりたがる。
低いところにとまりたがる。
したがって、捕まえ易い筈なのだが、
気が小さいのか、敏感なのか、近寄るのが難しい。
レベル7
<ヒグラシ>
カナカナカナカナ~
針葉樹の林に行くと、遥か高い木の上で、鳴いている。
上下左右どこで鳴いているのかわからない。
だから、見つけられない。
その姿を見た人はいないとさえ言われている(?)
ツクツクホーシに似ているのだが、定かでない。
その名のとおり、7年間地中で暮らし、地上に出てきて、
一日しか生きられない。
日暮し、を運命付けられた可哀相なセミである。
だから、捕まえてはいけない。
レベル10
そこで、一句。
日は落ちて
世は果てぬかなと
鳴けよひぐらし

網戸にとまる節操のないアブラゼミ