昨日、ドラマのロケで、
特殊な場所に行ったと思って下さい。
東京の首都高速が、間近に見える場所だと思って下さい。
上下線が、高架で走り、
ゴーゴーガタガタ、
凄まじい数の車両が、行きかっている場所だった。
その
行きかいを眺めながら、
役者、イシマルは、待ち時間がたっぷりあった。
そして、気づいたのである。
《首都高には、
同じ会社のトラックがひしめいている》
最も目に付いたのが、
船舶輸送用の、《コンテナ》だ。
何気なく見ていても、
同じロゴを付けたコンテナが行き過ぎる。
アレっ、あいつ、さっき見たな・・
そこで、コンテナの横っ腹に書いてあるロゴを、
書きとめ始めた。
台本の空白の部分に、ペンを走らせる。
<tex>
<TRITON>
<WAN HAI>
<COSCO>
<EVERGREEN>
<K、LINE>
<錦江航送>
<DONGJIN>
他多数
3時間が経過した。
イシマルのドラマにおける、待ち時間は長い。
ただただ、首都高速を睨み続ける3時間。
その観察で、ある国家的な傾きが解かった。
《中国系の荷物がやたら多い》
通り過ぎるコンテナのロゴは、
概ね、
中国出身を思わせる。
時々、通り過ぎるのレベルではない。
常に、視界に見えている。
「ねえねえ、イシマルさんてさ、勉強熱心だと思わない?」
スタッフの目には、まさか、私が、
コンテナ観察をしているとは、映る由もない。
台本から目を離したと思ったら、
遠くをぼんやり見つめ、
やおら、ペンで台本に書き込みをしているのである。
「いつでもお芝居の秘策を練っているらしいネ」
ワンハイ、ドンジン・・
「ぶつぶつ、セリフの稽古やってるヨ・・」
それぞれのコンテナ名の横に、
<正の字>を足しているのだ。
「凄い集中力だネ。3時間だぜ」
是非、スタッフには、誤解したままでいて欲しい。
ちなみに、本日の通過ナンバーワンのコンテナは、
<WAN HAI>に輝きましたあ!
東京湾のコンテナ船