
<鵜の、鳥肖像権>
鵜がいた。
電線に停まっていた。
音符であった。
四分休符を演じている鵜もいた。
カメラを向けた。
シャッターを押した。
冒頭の写真が撮れた。
やがて、撮影者は、進み、
鵜の真下を通り過ぎようとした。
ビチャッ!
フンをかけられたのである。
帽子、上着、ズボン、どろどろになった。
これは、偶然だろうか?
いや、偶然とは思えない。
フンが落ちていく先をきちんと定めて、奴は
ひったのだ。
奴は、許可無くカメラに収めた私に、憤慨したのだ。
「肖像権があんからネ!」
鳥たちは、下を歩く動物(人間)に、
フンをかけるのを
レジャーと考えている節がある。
鵜の目鷹の目で、虎視眈々と狙っている。
そして、見事、フンがマトを射た瞬間に、
鳴き声を出して、喝采している。
あれは、
偶然ではない。
偶然だと思っているアナタは、
そろそろ考えを改めた方がいい。
でないと、奴らの
レジャーに付き合う羽目になる。
鳥のレジャーは、少ない。
ア~と鳴くか、フンをひるくらいである。
鳥の動体視力が、秀でている事は、
わざわざ言う必要もないだろう。
その鳥が、下を歩いている、運動能力も注意力も散漫な人間に、
フンをかける事くらい、
オチャノコサイサイなのだ。
落下地点のベクトルと、タイミングとを、瞬時に計算し、
下腹部に力を込める。
ブリッ
見事命中すれば、必ず、人間は騒ぐ。
騒ぐのは、人間だけだ。
だから、鳥は、
フンかけレジャーをやめられない。
それにしても、汚いレジャーだな。
やめて貰えないかナ?
誰に言えばいいんだろう?