今、朝ごはんを食べていた。
サラダの器に、顔を突っ込んだその時だ。
6分の一カットされたトマトが、
ひときわ真っ赤に輝きだした。
すると、どうだ!
上から、さらに真っ赤なドレッシングが、
降りかけられるではないか?
ん・・
鼻血?
タラタラタラ~
余っている我が血が、溢れ出て来る。
ティッシュ!ティッシュ!
ティッシュを千切り、鼻の穴に突っ込む。
ほんがあ~
行かなくてもいいのに、洗面所に向かう。
立たなくてもいいのに、鏡の前に立つ。
見なくてもいいのに、自分の顔を見る。
実に間抜けな顔が映っている。
「ひとつ小道具を使用して、間抜けな顔を作りなさい」
演劇学校で、そんな課題を出されたとする。
私がやるとすれば、その筆頭候補が、
《鼻にティッシュを突っ込んだ顔》
これほど、人相をブザマに変貌させる技もないだろう。
次席の候補、
《歯が欠けた顔》
を大きく引き離している。
どんな絶世の美人でも、歯抜け顔は笑いの対象となる。
美人がコントで、歯抜けを演じるのは、
納得がゆく。
しかし、美人女優が、鼻にティッシュを突っ込んで、
画面に登場する姿を見た記憶がない。
今、鏡の前から帰ってきて、
パソコンの画面を見つめている。
パソコン画面と云うのは、少しだけ
鏡要素がある。
ぶざまな姿を映し出す力がある。
文章の真ん中辺りにくると、
鼻ティッシュを否応なく
見せ付けられる。
今の文章で言うと、
<・・見せ付け・・>の
辺りだ。
<・・辺りだ。>の
辺りだ。
わっ、又、見えてしま
った。
うわっ、又、見えたじ
ゃないか。
ううぅぅ~
困った・・どうしたら
いいのだろう?