
往年の豊後高田駅
<時代劇セット>
<明治村>
<大正ストリート>
往年を思い出すかのような村や、
街並みが観光地になっている。
それなりに、昔が思い出せて懐かしい。
ん・・?へんだな?
今、「懐かしい」と言った。
ちょっと待てよ?
おまえは、明治や大正を知っとんのか?
江戸時代にチョンマゲつけとったんか?
知らんやろ!
そうだった。
あの街並みは、日本人として、心に訴える景色ではあるが、
知ってはいなかった。
ほんじゃ、
知ってる景色で、懐かしいものは?
<昭和の町>
大分県の豊後高田市(ぶんごたかだ)に、そんな町並みがある。
三丁目の夕日の世界がそこにある。
昭和なら知ってる知ってるってんで、人は足を運ぶ。
実は、その町には、50年ほど前、
列車が走っていた。
終着駅があったのだ。
4才のけんじろう君が、トンと降り立った駅である。
今、その駅は、バス停に姿を変えている。
50年ぶりに、その場所に立ってみたのだが、
往年の形状そのままの駅舎が、
バス停と名を変えて営業していた。
驚きと共に、町をそぞろ歩いたのだが、
マイナーチェンジしかしていない町が、そこにあった。
試しに、
53年前に住んでいた家を覗きに行った。
驚いた。
人は住んでいなかったが、
玄関もそのままに、建っているではないか!
いったいこの町は、壊さなかったのか、壊せなかったのか?
いずれにしても、残ってしまった町が、
観光の目玉になるとは、
誰も想いもしなかっただろう。
実は、大分県とは、そんな町だらけなのだが、
どの町も、まだ、その良さに気付いていない。
先に、気付いた臼杵市(うすき)にはこんな言葉がある。
「前にならえして、最後尾だった町が、
回れ右したら、先頭になった」

今はバス停