台湾の数字には、自信があった。
1 2 3 4 5 6 7 8 9
イー ア~ル サン スー ウー リュー チー パー チュー
小学1年の時に、
マージャンを父親から教わった私としては、
1~9までの中国数字は、英語以前の必須だった。
たとえ台湾語が解らなくても、
飲み食いはOKだと高を踏んでいた。
<ザオテン>
台湾には、早朝7時頃から、飯屋が開いている。
台湾式モーニングサービスである。
我々一行がドスンと、丸イスに座った店は、賑やかだった。
台湾語が飛び交い、
日本語やイングリッシュは全く飛び入る隙間がなかった。
事件はそこで起きた。
我々4人は(正確には私は)、
肉まん(パオズ)が食べたかった。
そこで、マージャン通の私が、通訳を名乗り出た。
「パオズ、スー」(肉まん4つ下さい)
『15個くるよ』(おねえさんの言葉はイシマル意訳)
「ノーノー、
スー」
『15個ネ』
ふむ、何か誤解があるナ。
そこで、指を4本立てて・・
「スー!」
『15個、食べられるか?』
こんな時には、往年のパントマイムの技が役にたつ。
そのパントマイムを文章で書く。
「私パオズ1個、隣1個、隣1個、隣1個、
全部で4個、OK?」
『OK!』
「全部で、
スー(4)」
『15個ネ』
わから~ん!
4×4で16になるのなら、
何か言い間違いをしていると想像できるのだが、
<15>という数字が、
どこから導きだされてくるのかが、わからん!
「もういいや、15個でもいいから、持ってきてスー」
『ハハ~ン』
20分後、4人の元に、肉まんが運ばれてきた。
その数を見て、皆がのけぞった。
<
3個>
?・・?・・?
私は、未だに、この事件の真相がつかめない。
そして、私だけが肉まんにありつけなかった。