<石見銀山> (いわみぎんざん)
2007年に世界遺産に指定された文化遺産である。
(アレって、洞窟だよな)
単純な好奇心で、島根県の山の中に分け入った。
入ったものの、いったいどこに行けば、
銀山があるのか解らない。
そんな時、現れた看板。
<石見銀山世界遺産センター>
どうやら、ここからバスが出ている。
金、土、日曜だけ、一日に4回見学ツアーが催されている。
1回のツアーには20人しか参加できない。
2時間半の行程で、3800円。
ハイヒールはダメ。
スカートはダメ。
さっそく、申し込む。
同行の方達をみると、
何も知らずに気楽に参加した人達ばかりだ。
石見銀山のどこが、
世界遺産なのか知らずに参加した人達ばかりだ。
私もやはり、
ばかりの部類である。
バスに10分揺られ、そこから、
杖をつきながら山登りが始まる。
早くも、《こんな筈じゃなかった》お母さんが現れる。
ガイドの説明を聞きながら、登る事20分。
「ここで、ヘルメットと長靴を着用して下さい」
この時点で、《おらやだ》オジサンが座り込む。
「懐中電灯を一人づつお持ち下さい」
そのとたん、
《だからイヤだって言ったのに》お嬢さんが、
彼氏を睨んでいる。
入り口からして、ゾクゾク感に満ちている。
鉄格子扉の鍵を係員が開けると、真っ暗なトンネルが、
続いている。
20mも進むと、閉塞感が我らを包む。
自然の洞窟にはない、重々しさに、
懐中電灯の弱い明かりが、跳ね回る。
400年前から堀られてきた銀鉱石の残骸が、見られる。
銀鉱脈の細い筋を掘り進んだために出来た、
狭いトンネルがウネウネと地の底に落ちてゆく。
ここで、《やったぜ、ベイビー野郎》の私が、
あっちの穴を覗き、こっちの穴の内部を、
明かりで照らしまくっている。
外に出て、なぜ、ここが世界遺産なのか?
ガイドが丁寧に教えてくれた。
ちょっと難しいので、簡潔に要約しよう。
~~~ ~~~
その昔、日本の石見銀山から産出した銀は、
世界中の1/3を占めていた。その銀のおかげで、
世界の産業は大きな発展を遂げた。イワミの名前は、
世界的には、有名だったのだ
~~~ ~~~
《別にお勉強に来たわけじゃないのに》アンチャンが、
トンビを見ながら、アクビしていた。
掘った穴は、間歩(まぶ)と呼ばれる