昨今、センサーだらけである。
町にも、家にも、駐車場にも・・
ありとあらゆる場所に、センサーが働いている。
その中で、今日のお題・・
電灯を灯すセンサーが、トイレに設置されている。
トイレという空間に入った途端、明かりが灯る。
設定時間を過ぎれば、突然暗くなる。
昨日の私が、そうだった。
何がそうだったかと言うと・・
ホテルの一室、そのトイレ。
しばらくジッと動かなかったので、パスンと明かりが消えたのだ。
消えた途端に、私の頭の中でチャレンジの明かりが灯った。
「やってみよう!」
センサーと闘うのだ。
《
センサーに見つからずに、トレイを脱出出来るか?》
試しに、頭をチラっと、回してみた。
負けた。
すぐにライトが点いた。
・・暗くなるまで待つ。
小指を、素早く動かしてみる。
負けた。
すぐにライトが点く。
ふむ、トイレセンサーは、
相当な敏感仕様に仕立てられているらしい。
選りすぐりの神経質な方が作ったらしい。
では、まずドアノブまで、とんでもないスローモーションで、
右腕を伸ばしてみる。
たかが、50㎝の距離に、1分かけた。
よし! 成功した。
ところが、ノブをグルリと回す動きで、
ヒジの筋肉が隆起したらしい。
明かりが灯った。
ふむ・・
考え方を変えよう。
全体を塊りとして動いてみよう。
便座から、ゆっくり立ち上がる行為を、
超スローモーションで始める。
ガニ股の状態がしばらく続く。
相撲の関取でも、こんな状態は長くは続くまい。
(ちなみに、すでにズボンは履いてます。
アナタの変な想像は適切ではありません)
じれる闘いが続く。
何度も負けた。
何度も明かりが灯った。
細心の注意を払った、チャレンジ数度目・
便座から、腰が伸びるまでに、5分を要した。
右足に体重を乗せるのに、さらに、1分。
左足を引きつけるのに、さらに、2分。
そうして、ドアノブを回し、外に足を踏み出した途端、
パツンッ!
負けた。
たぶん、緊張した為に
動いた耳が犯人だ。
ここで、覚悟を決める。
<脱出に成功するまで、トイレを出ない!>
私は今、バスルームの中で、パソコンと共にいる。