「イシマルさん、私が捌いてあげますヨ」
宿のご主人が、釣った小アジを料理してくれると云う。
甘えることにした。
じゃ、その間にお風呂にっと・・
私の風呂は、露天風呂専門だ。
露天がない時には、内風呂に入るには入るが、
とび込んだと思ったら、すぐにとび出す。
お風呂を沸かした宿に申し訳ない入り方をする。
ところが、この宿には驚いた。
ヒノキで拵えた舟が、風呂場に置かれてある。
宿のご主人が自分でトンテンカン造ったのだと云う。
水深がやや深い。
浅く腰掛ける部分もある。
なんか・・変だ・・
そもそも、
舟ってのは、
水が入ってはならない物体だ。
水は舟の周囲にあるべきで、船中にあってはならない。
それが、どうだ。
逆の関係になっている。
この違和感が、妙な興奮をよぶ。
気が高ぶる。
気を鎮めるべき湯船で、鼻息が荒くなっている。
小学生の頃、みんなで銭湯に行った時の興奮が甦る。
誰もいなかったので、オケで、お湯をぶちまけたりした。
頭の上から、思いっきり掛けたりした。
もちろん潜った。
平泳ぎで2回漕いだら、向こうに着いた。
ゴン・・頭がぶつかった・・
興奮のあまり、脱衣場で身体を拭いている時に気づいた。
(あっ、からだ洗うの忘れた)
もいっかい、はあ~いろ! 隠岐の宿<鶴丸>の部屋からの夜景