蔵の町 川越
地図が好きである。
日本地図全体も楽しいが、県単位も面白い。
山の名前や、地名の新たなる発見があったりする。
三国峠は、あちこちにあるし、駒ケ岳もいっぱいある。
「私ネ、ショートケーキなら、いくつでも食べられる」
嬉しそうに喋っていた娘さんがいたが、
「オレさ、地図なら、いつまででも見ていられる」
自慢げに胸をはるオジサンもいるのだ。
好きがこうじて、地図を部屋の中に貼ったりする。
壁には、絵画や、写真が貼られるのが、常だが、
我が家の場合、なぜか
地図ばかりが貼られている。
地図だけではない。
俯瞰図なんかも、貼るのを許されている。
山の鳥瞰図なんかも、面積を占めている。
高校の授業で、<地理>の時間があった。
夢のような時間に思えた。
授業中に堂々と地図を広げて眺めていられるのである。
先述の娘さんが、
授業中に堂々と、ショートケーキを食べているのである。
食べれば、食べるほど、先生は優しく微笑んでくれるのだ。
しかし、夢のような事ばかりではない。
3か月に一回、
『どのショートケーキが美味しいか』
テストをするのだ。
間違えると、もっと食え、もっと食えと、つめこまれる。
さて、今では、テストはない。
授業もない。
自由に好きなだけ、地図を眺めていられる。
私には、わかっている。
「一冊だけ、無人島に本を持っていく事ができる」
迷わず、地図にします!
隠岐の島<ろうそく岩>に沈む夕陽