
「そうだ!横断しよう」
思いたったのは、本栖湖のほとりだ。
目の前に、パドルボードがある。
ファナティックの300cmのボードだ。
又の名を<スタンディングボード>とも呼び、
ボードの上に立って、パドルを漕いで進む。
本栖湖の向こう岸まで、漕いで行ってみよう。
突然思いたったものだから、
私の格好が、あまりボードを操るには、
ふさわしくないスタイルをしていた。
モンペに田植えタビ、頭には、
東南アジア系の藁帽子を被っている。
オシャレとは云いがたい。
どちらかと云えば、
ベトナムの水源地に、水牛を追う農民である。
漕ぎ出して、100m進んだところで、後ろから声がかかった。
「パドルの向きが反対だよ~!」
ど素人、丸出しである。
静かな湖面をスイスイ進む。
パシャっ、
水面近くに小魚があふれている。
鮎の稚魚だろうか?
ワカサギかもしれん。
おおっ、富士山が大きくそり立っている。
着いたあ~
本栖湖を横断した。
2、4キロ、40分で行けた。
よっしゃ、どうせなら、往復しよう!
クルリと向きを代えると、すぐさま、漕ぎ出す。
帰りは、スピードを上げた。
グイグイ、パドルを振り回した。
着いたあ~
30分であった。
およそ、5キロを、一時間10分。
先日、与論島から、沖永良部島まで50キロを、
カズが、10時間かけて、横断したが、
計算上、スピードはぴったりだ。
この分だと、
<パドルボード太平洋横断>
などというお馬鹿な事をやりだす輩が現れるに違いない。
