<日本火山洞窟学会>
こんな学会がある。
あるからには、当然、会長がいる。
その会長さんに出会った。
73歳の方である。
73歳とは思えぬ、
胆力と、夢を持ち続ける魅力あふれた方であった。
「
あのネ、ハワイの火山洞窟に潜ったのネ」
会長が語る。
ハワイまで行って、火山性の溶岩洞窟に、
探検隊を率いて、潜入したらしいのだ。
「
何キロか進んだ時、ポッカリ天空に穴が空いたのネ」
溶岩洞窟は頻繁に、陥没穴が上空に開く。
「
でネ、外に出てみたんだよ」
一行は、よじ登って地上に出たそうだ。
「
ほったらサ、ライフルを持った奴らが、ウヨウヨいてネ」
ふむ、どういうことだろう?
「
そこは、大麻(マリファナ)の栽培場所だったのさ」
ヒエ~~
「
ライフル向けられ、慌てて、洞窟に舞い戻ったサ」
良かった良かった・・
で、探検隊は、しばらく洞窟を進んだらしい。
すると、又、ポッカリ穴が開いた所に出た。
「
勿論、よじ登ったサ」
よじ登ったら?
「
ほったら、ドーベルマン犬が、ワンワンワン!」
どうやら、探検隊は、マフィア系の親分系の、
別荘らしき庭の穴から、頭を出したらしい。
親分の命を狙う怪しいヤツらが、ヘルメットかぶって、
地底から現れたのである。
ホールドアップ!
で、なんやかや、怪しいものではない事を、
地底語を駆使し、理解してもらい、
開放してもらったそうナ。
「
ハワイから帰る日本人は、みんな真っ黒でしょ」
ま、普通は日焼けするわな。
「
ボクら、何週間もいたのに、地下に潜りっぱなしで、
まっチロ!」
嬉しそうに話し続ける会長さんであった。
横穴にポッカリ開いた天窓から降る光(富士樹海洞窟)