
ラグビーとは、おかしな競技である。
上の写真は、試合中のものだ。
一番左を見てほしい。
そこには、倒れている選手を治療しているスタッフが、
写っている。
つまり、試合中のグランド内に、選手以外の人間が、
堂々と入り込んでいるのだ
もし、そこにボールが飛んできたり、
人が走ってきたりしたら、どうなるのだろう?
余計な心配をしてしまう。
しかし、そうはならない。
選手たちは、戦いながら、
戦場に出来た不戦闘地域を意識しているのだ。
いわば、本物の戦争で、傷ついた戦士を、
衛生兵が治療している状態に良く似ている。
「あそこは、触れないでおこう」
選手と、審判の認識が、一致している。
ところで、この写真の時、倒れ治療を受けてていたのは、
小野沢選手である。
ニュージーランド戦の最中だ。
83対7で敗れた試合だ。
この試合で、唯一日本が挙げたトライが、この小野沢だ。
しかも、
治療を受けてから、3分後のことであった。
傷ついた兵士は、やにわムックと起き上がると、
急に元気になって、戦線復帰し、
オールブラックスに一死報いたのである。