落ちた!
岩から落ちた。
靴が滑った。
落ちたところは、岩礁地帯である。
先日来、イシマル探検隊が、エキスパートプロとまで呼んで、
走破していた場所である。
隊長が、岩場から、まっさかさまに背中から落ちた。
同行していた隊員は、ヒロ君とケンジである。
「歩けますか?」
『う~んと、無理かも』
「次のビーチまで、500m行かなければ・・」
『這って行こう』
這い這いすること、1時間。
ビーチに辿り着き、津久井浜整形外科に運ばれる。
なんとその日は、大畠先生が、診療していた。
一ヶ月に一度の、大畠先生の日曜診療の日だった。
ピンポイントの日に、落ちた。
運はあった。
《腰部座礁、全治3週間》
歩けない・・
ヒロ君がほめる。
「イシマルさん、運がいいですね」
『大畠先生は主治医だからネ』
「いや、
岩場の落下地点ですよ」
『・・?』
「ボクらが歩いた岩礁地帯は22キロありますよネ」
『うん』
「その中で、
砂地だった場所は、落ちた
あそこだけですヨ」
『巾2mほどの』
「もの凄い確率で、
岩をさけて、砂地に落ちたんですヨ」
『ホオ~』
「他の場所(岩の上)に落ちたらどうなったと思います?」
『チ~~ン』
運はあった。