崖から落下した私に宣告されたのは、
《腰部挫傷、全治3週間》の診断だった。
腰を痛めると、松葉杖さえつけない事がわかった。
移動は、人に支えられるか、車椅子しかない。
映画のロケは待ってくれない。
次の日、ロケに向かった先は、大分県だ。
羽田飛行場で、車椅子の世話になり、
大分空港でも、車椅子を押していただくサービスを受けた。
車椅子ってのは、金属で出来ている。
だから、空港の関所、金属探知機のゲートをくぐれない。
横を通してもらい、その後、
係官によって、ペタペタとボディタッチとなる。
相当厳密なタッチで調べられる。
そりゃそうだ。
負傷をいつわって、危ないモノを機内に運び込まれては、困る。
しかし、私のように、
滅多に、車椅子を利用しない人ならいざ知らず、
車椅子を常用している方にとっては、
あのタッチは、
ストレス以外の何ものでもない。
ありゃ、なんとかならんのか?
ってんで、大分県の職人が、竹を使って、
竹製の車椅子を作り上げた。
(冒頭写真)
勿論、私も座らせてもらった。
なんとこの竹製車椅子、
金属製より、軽いのである。
しかも、その出来上がりの美しさやいかに!
まるで、調度品である。
熟練職人の技が、随所に光っている。
「これ、高いんでしょうネ」
押してくれている女性アテンダントが応えてくれる。
『45万円ほどでしょうか、コレは、赤堀選手の寄付で』
あの阪神タイガースの赤堀選手が、アチコチ車椅子を、
大量に寄付しているのは、知っていたが、
竹製車椅子にも、その心をこめていたらしい。
ありがとうございま~す。
そうだ、ロケに行かなくちゃ。
こんな体で、映画のロケができるのか?
又、明日・・・