驚いた!
もの凄く驚いた!
何に?
<舌>である。
鏡の前で、歯を磨いていた。
なにげなく、舌の動きが目に入った。
その舌の動きに、私は、びっくり仰天したのだ!
アナタに聞こう。
《歯を磨いている時に、舌がどう動いているか知ってます?》
知らないと答えたアナタは、すぐに、洗面所に走って、
歯ブラシを持ってきなさい。
そんで、鏡の前で、歯磨きをしなさい。
大きく口を開けて、
舌の動きを観察してみなさい。
どうです?
驚いたでしょう!
《舌は、歯ブラシを排除しようとしている》
口の中に入って来た歯ブラシを、
異物として、排除しようとしている。
その動きは、歯ブラシの動きを追うように、
めまぐるしく動く。
「出ていけ!」
攻撃を仕掛けてくる。
これって、もの凄く変じゃない?
だって、うん十年間、毎日繰り返されてきた歯磨き行為だよ。
舌が、最も慣れてしかるべき行為じゃないか。
例えるならば・・
鮫に群がるコバンザメのごとく、
例えるならば・・
ワニの口の中に入って、掃除をする小鳥のごとく。
歯磨きとは、舌にとって、
されている事さえ気付かないほどの、無意識の動きの筈だ。
私の場合、歯磨きの歴史は、数千回を超える、万をも超える。
だのに、
だのに、未だに舌は、歯ブラシに攻撃を仕掛けている。
血液中に入り込んだ悪玉に攻撃を仕掛ける、
白血球の攻撃さながらである。
ここまで、読んで、
「え~うっそっ!」
と思ったアナタ、すぐに、歯ブラシを持って、
鏡の前に立ちなさい!
その上で、アナタの舌が、
全く動かずに歯磨きが出来るが試してみなさい。
もし、出来たなら、私は平に謝る。
しかし、まるでウナギのように、のたうちまわる舌を、
アナタが見たならば、
私の発見に、声を出してつぶやいて頂きたい。
「げっ、ほんとだあ~!」
秋のシメサバに舌鼓