歩いていると、靴下がズレる。
なぜか、右足だけズレる。
昨日、履いていた靴における脱げ方が異常だった。
100mもたない。
50mも歩いたところで、くるぶしの下にまで、降りてくる。
靴下がズレるほど気持ちの悪いものはない。
気持ちの悪さにかけては、
歯にモノが刺さっている状態と、おっつかっつである。
なぜ、あのようなズリ下がり現象は起こるのだろう?
同じ靴を履いて、同じ靴下を履いている左足は、
正常状態を保っていると云うのに・・
うぅ、きぼちわる~い・・
今や、くるぶしを越えた。
靴の中では、溜まった靴下が、グチャグチャになっている。
ど、どこかで、引っ張りあげたい!
しかし、人ごみの中では、
あまりみっともいい格好ではないだろう。
うぅ~
どんどん降りてゆく。
降りるというより、靴に靴下が
喰われている気がする。
咀嚼されている感覚だ。
うぅ~
ついに、カカトをクリアした。
ほとんど他の事が考えられない。
今、簡単なクイズを出されても、答えられない。
ズルッズルッ
土踏マズのあたりに、ダンゴになってしまっている。
そっと、ズボンの裾を引っ張り上げたら、
靴下が、殆んど見えないじゃないか!
とうとう、靴に
喰われてしまったようだ。
もう、我慢が出来ない。
パニックになる前に、柱の陰に駆け込む。
原型に復帰させる。
あ~~気持ちいい~
歯に刺さったゴボウが取れた安堵感に似たものが漂う。
よしっ!
歩き出して、50mもしないうちに、再び、ソレは始まった・・
うぅ~・・・
喰われた