瑠璃光寺(るりこうじ)といえば、
山口県の瑠璃光寺が有名なのだが、
今日は、違う瑠璃光寺を教えましょう。
そこは、大分県、国東半島。
空港から、車で15分ほどの山間にある。
ふらりと、立ち寄っただけなのだが・・・
「どうぞ、あがりなさい」
入り口で、おばちゃまの誘いに本堂に入った。
中には、住職が座られている。
80歳をゆうに超えておられる。
「こっち来て、200円払いヨ」
拝観料、もしくは、説法料が、200円だと仰っている。
200円支払った。
ここから、凄まじい早口の説法が始まった。
速さで言えば、黒柳徹子さんより、早口である。
しかも、大分弁まるだし。
大分県人でなければ、凡その内容しかわからない。
「手ぇ合わせチ、お祈りしぇなナ、まず朝は、おはようナ」
確かな説法なのだが、時折、脱線もする。
「お金はナ、ジッちゃんバッちゃんから、
うま~く、頂かなきゃナ」
「アヤシイ新興宗教が来たらナ、
『親戚がお寺じゃけん』ち言いなヨ」
話があまりに面白く、惹き込まれてゆく。
15分ほど過ぎた頃、突然住職が、ポツリ。
「ところで、おたく、
カネあるかい?」
『えっ?・・ええっ?、えええ?・・』
突然の予想外な質問にたじろいだ。
『ええっとぉ・・
普通ぅ・・かな』
「はっ?」
『あ・・いや、無い・・かもしんない』
「ん・・?」
『い、いや、少しだけ、あ・る・かぁなぁ~』
っと、その時である。
住職が、目の前にある金属のお鉢を取上げた。
「コレじゃよ?」
ん・・?
そ、それは、仏壇の前で、チ~ンとやるあの
カネじゃないか!
はっ!
カネって、そのカネだったの?
住職は、チ~ンの
カネの鳴らし方を、
教えてくれようとしていたのだ。
それを、お金と勘違いした私の、狼狽やいかに!
『ああ、ありませんありませんありません!』
ありませんを連発してしまった。
首をひねりながらも、
住職は、説法を続けて下さるのであった。
まだまだ、俗世にどっぷりの私である。
チ~ン
境内には、なぜか大量の臼が・・