先日来、三浦半島の岩礁地帯を探索している、
イシマル探検隊である。
探索に熱中するあまり、崖から落っこちて、
病院おくりになった隊長でもある。
その隊長の頭に、又もや、電球が灯った!
「岩礁地帯の
水中は、どうなっているんだろう?」
我ら探検隊が走っていた、その岩礁のすぐ下の、
<水中>には、どんな岩礁景色が続いているのだろうか?
疑問を抱いた足で、すぐさま、
スキューバダイビングに向かった。
ブクブクブク~~~
すぐさま、と言ったものの、考えてみれば、
ダイビングは
1年ぶりである。
「オレ~自転車乗るの、1年ぶりなんだよネ~」
「わたしさあ、ペペロンチーノ、1年ぶりぃ~」
私がダイビングに望む感覚は、同じだ。
1年ぶりにタンクを背負って、海に跳びこんだ。
ん・・?
耳抜きが出来ない!
耳抜きとは、高速エレベータに乗った時に、
耳がツーンとなり、
やがて、バリっと元に戻るアレである。
ツーーーン!
たった2m潜っただけで、耳が悲鳴を挙げる。
「このまま沈下したら、鼓膜破れるけんネ!」
耳が、告げている。
仲間らは、どんどん沈んでゆく。
しかし、私の鼓膜は、いっかな耳抜きをしてくれない。
「破れてもしらんけんネ!」
1年ぶりの鼓膜が私を、脅迫している。
私が見たいのは、水中の岩礁なのだ。
私を病院送りした岩礁地帯のすべてを知りたいのだ。
「今、水深8mまで来たけんど、鼓膜やばいんでない」
っと、その時だ・・
バリッ!
耳の奥で、大きな音がする。
耳の奥というより、脳みそのすぐ近くと言った方がいい。
バリッ!
これは、鼓膜が破れた音ではない。
耳の中の気圧と、水中の気圧が、
同調した瞬間の音である。
隊長の耳が正常になった・・
「おお~!あの岸壁は、見覚えがあるぞ!」
探検隊は、水中岩礁ツアーを始めたのだった!