
東京マラソン 川内君
<あせっている>
<急いでいる>
わたくし、イシマルは、こう呼ばれる事が多い。
昨日も呼ばれた。
昨日、オファーがあったのだ。
フジテレビ系列のスポーツ番組への,出演依頼だ。
短距離走のガチンコ対決だという。
いわゆる<徒競走>
そう云えば、100m近い距離を、
全力で走ったのは、いつだろう?
20~30mくらいなら、砂浜でよくやっている。
ダッシュというヤツだ。
30才代に、100mを走った記憶がある。
オファーが来た瞬間から、私は
急ぎだした。
気持ちが
あせりだした。
気が付くと、いつの間にか、ジャージに身を包み、
ランニングシューズを履いているではないか!
瞬きもしない内に、公園の芝生を疾走しているではないか!
気持ちが上ずっている。
胃袋が、いつもより、
5センチほど高いところに位置している。
普段のランニングより、
30パーセント、スピードが上がっている。
1時間ほど駆け回って帰ってくる。
すると、
再び、飛び出して行きそうな私がいる。
やはり、
急いでいる。
何かに向かって、
急いでいる。
夜中に、ガバっと起きる。
(走ろうかな)
暗闇の中で、思っている私がいる。
駅を歩いている。
階段を2段とばしで登る私がいる。
急いでいる気持ちを止められない。
胃袋が浮いたままの状態がおさまらない。
なんなんだろう?
この
急ぐ気持ちは・・・

東京マラソン 藤原くん