「醤油が無~い!」
大きな声を出しているのは、私だ。
そこは、キャンプ場だ。
キャンプに来る途中に、魚屋で、
見事なブリの刺身を手に入れたのだ。
さあ、夜のとばりが落ちた。
プシュッ!
缶ビールが、喜びの雄たけびを挙げる。
待ちに待った瞬間だ。
それぞれの手には、箸が握り締められている。
それぞれ皿を配られ、ワサビを塗りたくっている。
冷蔵庫から、厳かに、そいつが登場する。
<ブリの刺身>
私が声に出す前に、みんなが大きく声に出した。
「ジャ~~~ン!」
皆の想いは同じだった。
「いっただきまあ~~~す!」
箸が乱舞した!
その時だ・・・
「醤油は?・・・・・・・・・・?」
役者として、長い間舞台に立っているが、
これほど長い<間>を感じた事はなかった。
「醤油は?・・・・・・・・・・?」
by ishimaru_ken
| 2012-07-28 05:59
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