
レスリングの審判が面白い。
選手が両側から登場すると、まず一人づつ握手する。
そこまではいい。
その後、
一人づつボディタッチをするのだ。
両肩から、足、背中など、
ペタペタペタ
ん・・?
アレはどこかで見た行為だぞ。
そうか、プロレスだ!
その昔、悪役レスラーが、パンツの中に、
凶器を隠していた。
ブッチャーが、パンツから、
ネジ回しや、釘を取り出して、相手に突き刺していた。
審判の目の届かないところでこっそりやっていた。
まさか、オリンピックで、
選手の身体から凶器が発見されるハズもないのだが、
「一応、やっとくかんね」
一応、ペタペタとやる。
試合が始まり、相手の指を掴んだりすると、
審判が歩み寄り、その手を
ペチッと叩く。
選手は、叩かれると手を離す。
従順である。
相撲の最中に、サガリが取れかかった関取に歩み寄り、
サガリをさっと外す行司も、たいしたものだが、
あのペチッも、なかなかのタイミングである。
その瞬間にワザが始まり、
審判を巻き込んでしまう事はないのだろうか?
さらに、真ん中の円にきちっと揃わなかった選手の腕を、
グイッと引いて、従がわせたりするのである。
大人が、子供を叱りつけている様に似ている。
「ふむ、権威のある審判なんだな」
ピッピッ!
場外の何かに向けて注意をしている。
コーチの振る舞いを、叱りつけているのだ。
行儀の悪いコーチをたしなめている。
そうか!
今言った行為すべて、プロレスでもやってるではないか?
やっぱ、プロレスの原点は、
ココだったんだ!
当たり前のことに気づいてしまった。
丸いマットが、四角いジャングルに変わったのだ。
権威ある審判から、
スター性のあるレフェリーに変貌したのだ。
もし、誰かがプロレスを発明する前に、
柔道に気づいていたら・・
《プロジュー》
なるものが、始まっていたかもしれないナ。