室堂から、立山連峰
「うわあ~~~!」
室堂平に辿り着いたイシマル探検隊の頭上に、
立山連峰がドデカく、のしかかってくる。
その立山を右手に見ながら、まだ見えぬ剣岳を目指す。
初日は、その中腹に位置する、
<剣山荘(けんざんそう)>まで。
降りたり、登ったり、又降りたり・・
やや空気が薄くなった高原に、汗を流す。
気温は15度前後。
爽快だ。
黄色い小さな花が咲き乱れている場所が、頻繁に現れる。
<お花畑>と、山では呼ばれている。
(畑じゃないと思うんだけどぉ・・)
山の天気は気まぐれと言うが、そのとおりで、
雲がモクモクと湧いてきた。
剣岳が靄の中にかすむ。
雪渓の中を下ってゆくと、剣山荘が出現。
午後2時到着。
そんなに早い時間にと思う無かれ。
山では、午後3時には行動を止めなければならない。
何かあった時の為にと、
雷の発生時間を避ける意味もある。
現に、3時過ぎから、ピカゴロが始まった。
当然、ザーザーと雨が降る。
さっきまで、青空の写真を撮っていたのに、これである。
さて、この山小屋には、なんとシャワーがあった。
「どうぞお使い下さい」
小屋主からアナウンスがある。
喜び勇んで、シャワー室にゆく。
汗にまみれた身体に、山中でシャワーとは!
この小屋が、夏でも大量の雪渓を、
抱えているからこそできる技である。
ヒエ~~~
私がかぶっているのは、水だ。
冷水だ!
あったかいお湯を出した後に、
思いっきり冷たい水のシャワーを浴びるのだ。
たぶん・・・私が今まで浴びた中で、
最も冷たい水だったと断言していい。
サウナの横にある冷水だって、
14~15度でシビレル位冷たい。
そのレベルを超えている。
なんてったって、
雪解け水を直接シャワーにしているのだから・・
ビール並みの冷たさである。
「ヒエ~~~!」
私の冷水シャワーのおこぼれが掛かった
隣のオジサンが、悲鳴をあげている。
雪解け水に引き締められた私の身体が、
ホテり出す頃、再び太陽が顔を出し。
岩峰の先を紅に染め始めた。
「夕食の準備ができました~」
グウ~腹が正直にこたえた。
剣山荘