
ツクツクボーシが鳴きだす、秋を感じる夕べ・・
ふむ・・?
ツクツクボーシの鳴き方は、
「ツクツク」が先なのか、「ボーシ」が先なのか?
森の中で、思わず腕組みをしてしまった。
耳をそばだててみる。
「オォォオオ~~シ、ツクツク、オ~シ、ツクツク」
どのツクツクボーシも、ボーシが先であった。
では、なぜ名前が、ボーシツクツクではなく、
ツクツクボーシになったのだろうか?
その答えは、次の研究で明らかになる。
(おっ、研究発表があるらしいゾ)
セミが鳴くと言っても、口で鳴いているわけではない。
腹に付いている共鳴帯を震わせて鳴いている。
それには、体力がいる。
そこで、セミは息継ぎをするのである。
その継ぎ目が、
ボーシの後なのだ。
つまり、一つの節目は、
「ツクツクボーシ」で完結している。
例えるなら・・
プールでアナタがクロールをしている時、
水中でツクツクボーシと叫び、
顔を挙げて息継ぎをし、再び水中で、
ツクツクボーシと叫ぶのである。
(いい例えではなかったナ)
さらに、研究は進む。
(まだ、聞かされるらしい)
彼らの鳴き方は、最後に必ず、
「ツクツクイ~ヨオ~」で終わる。
ボーシから、イ~ヨオ~にある時、変換する。
そこで、「ツクツクボーシ」と何回鳴くのか、調べた。
個別に、アンケートを取った。
20匹あまりのツクちゃんに、鳴いてもらった。
調査ノートに正の字が並ぶ。
結果・・
少ないツクちゃんは、12回。
頑張るツクちゃんは、24回。
平均すると、16回。
思ったより、数多く、ツクツクを唱えていた。
で、「イ~ヨオ~」だ。
「ツクツクイ~ヨオ~」を何回唱えているだろうか?
ここで、驚くべき結果が出た。
4回
揃いも揃って4回目のツクツクイ~ヨオ~で終わる。
参加ツクちゃんは、30匹を超えた。
その殆んどが、4回。
たまに、3回、もしくは3回半のヤツがいるが、
どうも、フィニッシュに失敗した感じである。
俗に言う、「
かんだ」というやつだ。
「ツクツクボーシ」と鳴く回数は、それぞれなのだが、
最後の「ツクツクイ~ヨオ~」は、4回!
これは、どういう事だろうか?
《フィナーレだけは、決めた。あとは自由に》
という遺伝子なのだろうか?
「おおい、ビール、最後の締めはウイスキーで」
お父さんの晩酌の肴を拵えるお母さんが、最後にこぼす。
『ウイスキーは、
4杯までネ』

こちらは 熊ゼミ