運ぶ、運ぶ、運ぶ・・
とにかく運ぶ。
我ら、台湾のポンフー島のポンポンビーチまで、
重さ200キロのウインドサーフィンの荷物をひたすら運ぶ。
飛行機を乗り継ぐたびに、運ぶ。
空港のカートに乗せ、
タクシーに乗せ、
船に乗せ、
辿り着いた、ポンポンビーチで、台車に乗せ、
逆風の中、数百メートルの砂漠を引っ張り・・・
「♪~お日様ぁ~の砂漠ぉ~♪」
かくして、我らが探検隊の、スピードチャレンジが始まった。
我らとは、
<石丸、大畠、滝田、ヨウコ>の厳選された最強の部隊だ。
《
水の上を、エンジンを使わずに、どれほど速く走れるか?》
このテーマに、ウインドサーフィンで挑む我々である。
目標は、日本最速記録、時速75、5キロ。
2年前に、イシマルが出した記録が、
70、16キロ!
2年の歳月の中で、研究、鍛錬、憶測、叱咤!
ありとあらゆる艱難辛苦の果てに、
再挑戦に向かったのである。
ポンフー島とは、
台湾と中国の間に挟まれた海峡にポツンと存在する。
11月の中旬に、半そで短パンで汗をかいている南国だ。
右腕の甲で、額の汗をぬぐいながら、
「青春!」
と、大声を出して恥ずかしくない蒼空を持っている南国だ。
ヒエ~~~
ポンポンビーチに降り立った4人は、
まず、その美しさに感嘆の声を挙げたのだ。
そして、吹き付ける烈風に、
まなざしを引き締めるのであった。