九州の大分県の南部に、
保戸島(ほとじま)という島がある。
周囲4キロほど。
一番高い所で、180mあまり・・
津久見市から渡船で、25分の孤島である。
この保戸島が、以前から気になっていた。
なぜか?
観光案内の写真が、
あまりにも夢あふれる色に満ちていたからだ。
それは、日本的ではない。
地中海の島と言っていい。
赤や黄のカラフルな家が林立している。
その島に、今年・・
30年いや、50年の憧れを乗せてやってきた。
「あんたァ~どっから来たんな?」
港に船が接岸した途端、オバチャンが、
思いっきりの大分弁で話しかけてくれる。
(地中海はどこいったの? ま、いっか)
島の家々は、聳え立っていた。
なんせ、平地が殆どない。
坂道だけの島と言っていい。
広島に尾道(おのみち)という坂道だらけの町がある。
映画<転校生>の舞台となった町だ。
アレを坂道というなら、保戸島は崖だ。
絶壁と呼んでみようか。
船を降りて、30歩も歩くと登山が始まる。
その道が、すこぶる狭い。
人がすれ違うのが難しい場所すらある。
基本は、階段である。
手作りの階段が・・
つまり、でたらめの段違い階段が、次々に現れる。
その両側はすべて民家だ。
それも、二階建ての家ではない。
3階建て、4階建て、コンクリー造りのビルである。
ビルといいながら、敷地は狭い。
小さな敷地に、上へ上へ伸びるコンクリーの家が、
でたらめに建っている。
45度と言いたい傾斜地に、ビルの林だ。
そのどれもがカラフル。
歩き続けて・・いや、登り続けていると、
方向が解らなくなる。
傾斜迷路なのだ!
今、自分がどこにいるのか、わからなくなる。
日本にこんな場所があるだろうか?
さて、なぜこんな町が生まれたのか?
この島は、マグロ漁でナリワイを立てている。
数10トン~100トンほどの船で、
近海マグロを追いかけている。
そのアガリが、町の財産を生んだ。
裕福になった。
九州でも、かなりの田舎の寒村が、裕福な町になった。
ビルが建った。
さて、現在だ・・
この島に行く、ツアーとかないのかな?