先日の保戸島の方言集は、島の小学生が編集したものだ。
方言とその標準語のほかに、なぜか?
丁寧語が書かれてあった。
例えば、こんな具合だ。
<しゃーしい>
標準語;うるさい
丁寧語;うるさいです
<しちくじいやっちゃな>
標準語;しつこいヤツだな
丁寧語;しつこい人ですねぇ
なぜ、わざわざ丁寧語を書いているのだろうか?
実は、大分弁というのは、尊敬語や丁寧語が無い。
目上の者に対しても、友達に対しても、同じ方言を使う。
英語的とも言える。
したがって、子供たちが大人になって、島を出た時、
えらい事がおこる。
言葉使いがひどく荒い大人が、街を闊歩するようになる。
「しゃあっち、言うちゃったに、きかんか」
標準語;『せっかく言ってやったのに、聞けよ』
本人は、標準語を喋っているつもりだが、
これでは、喧嘩を吹っかけているようなもんだ。
だから、丁寧語で喋るように諭している。
丁寧語;『せっかく教えてあげたのだから、聞いてください』
<おらびよる>
標準語;叫んでいる
丁寧語;叫んでいます
<どうくんな>
標準語;ふざけるな
丁寧語;ふざけないでください
島を出たら、丁寧語を使おうと小学生が努力している。
「のーならかしたんか?むげねーのぉ」
標準語;『失くしてしまったのか?かわいそうに』
丁寧語;『失くしてしまったのですか?かわいそうですねえ』
子供たちよ、
島の方言を、のーならかしたら、いかんゾ
<しかぶっちょん>
標準語;おしっこを漏らした
丁寧語;おしっこを漏らしました