
《街は犬のトイレではありません》
この看板は、
犬に小便大便をひらせるなと、注意している。
ところが・・肝心の犬くんはこう考えている。
《
街をトイレだと思っている》
電柱も、花壇も、塀も、すべてトイレとしか見ていない。
街に出たとたん、ズラ~とトイレが並んでいるのだ。
家の中では、小便ができない飼い犬は、街に出たら、
すぐさまトイレに向かう。
思いっきり放尿行為にうつる。
ジャ~
(ん・・まてよ?)
犬くんは思いたつ。
(あっちを見ても、そっちを見ても、トイレだらけだなあ。
ほんだら、あっちでもそっちでも、やるか・・)
放っていた小便をやめる。
こんなにトイレが林立しているのに、
一箇所だけで、
楽しみを終えてしまうのはモッタイナイと気づくのだ。
トンカツ定食を頼もうとしていたオジサンが、
ミックスフライ定食を見つけた時に似ている。
あっちにもこっちにも箸をつけたい。
打ちっぱなしというゴルフ練習場がある。
打ちたいだけ打って、あとは知らんヨという奴だ。
後片付けは誰かやってネ・・
犬にとって街は、<
ひりっぱなし>である。
ひりたいだけひって、あとは知らんけんネである。
後片付けは、ご主人様たのむよヨ・・
「ご主人様の顔色ばかりうかがってぇ~」
さもすると、蔑まれる事もある犬くんなのだが、
こと下半身に関しては、ご主人様をこき使っているのだ。
食べる方は制限されているが、出す方は無制限である。
さ、アナタならどちらを選びますか?
<食べ放題>と<ひり放題>