「列車にトイレがあって、ビックリしたんです」
喋っているのは、都会育ちの、友人だ。
都会の列車には、トイレは無い。
通勤中に、トイレに行きたくなったら、
いったん列車を降りて、駅のトイレに向かうしかない。
ゆえに彼は、地方を旅したとき、
地元の人たちが乗る各駅列車に、
トイレがあったと感激している。
そこで、時間を40数年前に遡ろう。
「汽車に、便所が付いちょらん!」
驚き声を発しているのは、16才のけんじろう君だ。
列車に、トイレが付いていない事実にビックリしている。
ある時、当時の国鉄が、
列車からトイレを無くしたのである。
列車には、トイレがあるものだと、
当たり前のように考えていた私達は、驚いた。
「出そうになったら、どげぇすんかぁ~」
小便をもよおしたら、どうするのか、
と客が問うている。
「デッキから、とばしていいんかぁ~?」
当時、デッキのドアは手動で開いた。
走っている最中でも、開けた。
そこから、小便を飛ばしていいのかとワメイている。
公衆トイレがあまり普及していない時代・・
列車のトイレを目指して、駅に駆け込んだものだった。
「あ~間に合ったあ~」
列車にとび乗るや、
トイレに向かうのが習慣だったオジサンもいた。
そのオジサンが、トイレ無し方針に、こぶしを振り上げる。
「なんなら、窓から、ぶちまけたろか~い!」
そこで、現代に戻って、通勤電車だ。
アナタ、通勤電車にトイレ欲しくないですか?
あってもよくないですか?
あった方がよくないですか?
どうせあるなら、快適なトイレですよネ。
よお~し、造りましょう!
《一両丸ごとトイレ列車》
線路がとぎれている終着駅