
「風速30mあるゾ!」
伊豆大島の三原山の噴火口まわりで、叫んでいる。
気圧配置が決まり、南西のドン吹きだ。
雪山でもないのに、万全の装備で来た我々は、
強風に立ち向かった。
アナタにたずねよう。
風が強い時に、身体をフスマに見立てて、
斜めに倒れてみたりするよネ。
するよネ。
でも、思いのほか、斜めにはなれないもんだよネ。
しかし、風速20mを超えると、かなり倒せるようになる。
スキージャンプの選手の感覚を、少しだけ味わえる。
そして・・
火山の稜線に出た途端、台湾のポンフー島で、
風速23mを体験している私が、まともに歩けなくなった。
油断すると、2mほど、真横にとばされる。
風上に向かって足を動かすと、足は前に動いているのに、
全体は、後退している。
そう、
ムーンウォークだ。
強風下では、誰でもムーンウォークが出来る事が証明された。
体感的に、風速を推測してみる。
「25mは超えてるナ」
「瞬間的な突風は、30mあるナ」
立って歩ける限界かもしれない。
そんな時だ!
洞窟探検家の吉田さんからメールがきた。
今、パタゴニアで、洞窟にもぐっているそうな。
そこは、とんでもない強風がふき荒れてる場所だそうで、
街の道路には、そこかしこに、
ロープが張り巡らされているらしい。
人は、そのロープを頼りに、歩くのだそうだ。
今日も、40mの風がふいている・・とメールが囁いている。
ふ~ん、世界は広いな。
さて、私は30mでどうなってるか?

んなバカな!