
<断食2日目>の朝。
2日目というと、2日経っていると思われがちだが、
実際は、12時間プラス24時間で、
36時間しか経っていない。
最後にモノを食ってからの計算上はそうなる。
断食に入ると、
一日を時間で考え始める。
時間の歩みが遅々しか進まないことに、苛立ちを感じている。
さっき、トンカツのことを考えてから、
まだ30分しか経っていない。
雑誌の焼肉の写真に釘付けになってから、
20分の経過をみた。
21才の夏に、断食を行ったことがある。
10日間、八丈島で海岸にテントを張って過ごしていた。
その経験からすると、
苦しいのは、3~4日までである。
クイモンの事ばかり考えている間は苦しい。
ところが、宿便という最後の硬い便(ヤギの糞みないなの)が、
ポコッと出た後は、急に気分が軽くなった。
身体も動くようになり、
自転車であの広い八丈島を走り回ったもんだ。
もんだと言ったが、なんせ、若い頃の話である。
40年後の今ではどうだろう?
心臓がエネルギーを与えられずに、
動き続けてくれるだろうか?
ここで、私のマネをして、
断食に挑もうとバカな事を考えそうなアナタに忠告する。
断食は、知識もなく個人でやっては、いけない。
本来は、断食道場などの施設で、
健康管理しながらやるべきだ。
数時間ごとの、血圧、脈拍のチェック。
その他、医療的なバックアップを望むべきだ。
断食への移行も、突然ではなく、徐々に・・
特に終わりは、むつかしい。
「さあ、終わった、飯食おう!」
では、身体にどんな危害が及ぶかわからない。
実際、21才の時は、無知だった。
八丈島から帰る旅客船の食堂で、あろうことか!
カレーライスを食ってしまった。
10日間、空っぽの胃袋に、カレーライスである。
舌は、しびれる旨さを感じていた。
脳みそも、この世とも思えぬ悦楽に酔っていた。
しかし!
その後、胃袋は悲鳴をあげ、トイレとの往復。
七転八倒!
この若い日の反省を、年を経て、
今こそ生かそうではないか。
「
カレーライスを食ってはならない」
(って、違うだろう!)

