「カキはうめえなぁ~」
牡蠣が旨いとため息をついている。
茹でたてのカキの腹の部分に、歯を当て、
ガブリと食いちぎる。
断面をよくよく観察すると、
えもいわれぬ絵模様がある。
コレが、
子供は嫌いだ。
だいっ嫌いだ!
そう、子供が目をそらして嫌いなのは、カキである。
正しく申せば、気持ち悪いのだ。
同じ貝でも、アサリやハマグリは、歯ごたえがある。
ところが、カキは歯が無くても食える貝である。
それが、問題をややこしくしている。
そこで、アナタに思い出して頂こう。
初めてカキを食べたその日のことを・・
ガブリ・・・
ヒエエ~~
「今、ガブリと切断した部分は、きっと腹だよナ!
この動物の腹だよナ!
まだ、口の中を漂っているゾ!
噛んでいいのか?
飲み込んじゃっていいのか?」
この経験が、私の場合、小学校高学年。
《カキ=気持ち悪い》
この図式がおきてしまう。
「ボクは生涯、カキ食わんけん!」
宣言までしてしまう。
ところがところが・・
うまい事に人は成長する。
大人になる。
大人になると、不思議なことに、カキを好きになる。
なぜ好きになるのか解らないが、好きになる。
歯がいらない、あのグニャリ感を受け入れてしまう。
アンケート用紙、
「アナタは、どんな時に大人になったと感じますか?」
この問いに、
<カキが食べれるようになった時>
書き込む人がいる。
そうか!
《
カキは大人の免許証》だったか!
鬼顔木