
そういえば、私は、
モンペを穿いている。
モンペとは、そのモンペだ。
日本古来の、お百姓さんが、穿いてきたモンペだ。
いつ穿いているのか?
いつも穿いている。
朝起きたら、パジャマを脱いで、モンペに穿きかえる。
モンペを穿いて、朝ごはんを食べ、
モンペを穿いて、車を運転し、
モンペを穿いて、仕事に出かける。
いろんなデザインのモンペを10本ほど持っている。
サイズは、3Lである。
染色に赤系統の色を使っていない。
そんな特殊なモンペは、そんじょそこらに売っていない。
では、どこで買ったのか?
地方を旅している際、洋品店を見つけると、たち寄る。
たいがいモンペコーナーは、店頭に近い位置にある。
30本ほどがぶらさがっている。
しかし、サイズはSやMばかりだ。
Lを目にする事もあるが、なんたって女性用のLだ。
小さい。
よもや、3Lなんて!
なおかつ、赤や、ピンク、の模様が、
必ずと言っていいほど入っている。
(この店には無いな)
こうして、洋品店とび込みが続くのだが、
狙いのモンペは年に一本見つかればいいほうだ。
15年ほど前に、宝の山を見つけたのは、
金沢の近江市場だった。
市場内にある洋品店に、モンペが、
どうぞ掘ってくれとばかりに山積みになっていた。
掘った。
千本以上のモンペの中から、数本の、理想的な品を掘り出した。
まさに
掘り出し物なのである。
一本、1980~2980円という安い価格。
木綿ではなく、化繊である。
洗えばすぐ乾くし、汚れも簡単にとれる。
20年以上穿いている古参モノもあるが、
見た目は新品と変わらない。
色落ちしないのである。
さすがモンペ!
以前、外国人のウインドサーファーが私のモンペを見て、
奇声をあげた。
「ワァンダフル!」
素晴らしいデザインなので、是非おくれと手を合わせる。
ま、しゃーねえナ、
「試しに穿いてみな」
ごそごそやっていたオーストラリア出身の190センチ男。
「ジャ~ン!」
私の足首にあるべき、ゴムが、
奴のヒザ上にあった。
「ワァンダフルな、バミューダ、センキュー」
(うっせぇ~!)