
40年以上前、テレビを観ていた。
アフリカの自然の光景を映した番組だった。
その映像の中に、二つ、鮮烈に覚えているシーンがある。
当時のサファリを映したものを観ると、
野生動物の生命は、ずいぶん軽んじられていた事がわかる。
象をライフルで撃ち殺し、喜びの万歳をしているシーンもあった。
(今でもあるらしい)
ライオンやチーターも狩猟の対象だった。
さ、そのライオンとチーターだ。
【まず、ライオンのあるシーンから・・】
幼いお姉さんと弟が、二人でサバンナを歩いている。
するとどこからともなく現れたライオンが、
二人の後ろを通りかかった。
気配を感じたお姉さんが、(動くな)と弟に目配せする。
直立不動で動かない二人の後ろで、じっと見ているライオン。
映像はその状態をずっと捉えている。
ふたりは、まんじりともせず、中空をみつめている。
恐怖のあまり、ぶったおれる寸前なのだ。
っと・・・ライオンは急に興味を失ったかのように、
画面から歩き去るのであった。
【次に、チーターのあるシーンから・・】
オジサンがひとり、チーターと対峙している。
広く平らな地面に立つ半裸の現地人のオジサンが、
2mほどのヤリを手に持ち、
目の前にいるチーターと闘っている。
おそらくカメラは木の上から撮影しているのだろう。
オジサンとチーターの距離はヤリの長さ分。
チーターの大きさは、オジサンとさして変わらない。
さて、闘いは、続いている。
どんな?
オジサンは、チーターの眉間に向けて、
ヤリを差し出しているのだ。
チーターが前に出てきたら、ヤリを引き、
下がれば、ヤリを押し出す。
チーターの頭が右にふれれば、ヤリを右にふり、
左にふれれば、左にふる。
常に、チーターの
目の前から、
ヤリの尖った先端を離さないのである。
踏み込むに踏み込めないチーター。
前足で払おうとすると、ヤリを引っ込められる。
やがて、諦めたチーターはすごすごと去ってゆくのであった。
この二つの映像、どこかに残っていないだろうか?
いまや、撮ることのできない貴重な映像だと思うのだが・・
それとも、私が観たのは、映画の一シーンだったのだろうか?
このふたつから、けんじろう君が得た教訓。
《ライオンに出くわしたら、動いてはならない》
《チーターと出くわしたら、ヤリ一本で防げるかも》