この写真は、大分県の、とある町の浜辺近くだ。
釣りに行く途中に、餌を買い求めに、釣り具屋に寄ろうとした。
<いらっしゃいませ>
とあるカンバンの上の文字をとくと見て欲しい。
<磯釣>の左側に、
<
いるか釣>
なんだコレは?
いるかって、釣るものなのか?
釣れるのか?
いや、釣っていいのか?
いいのだとしても、カンバンまで出して宣伝するモノなのか?
いやいや、釣りにくる客がいるのか?
驚きの疑問と共に、交差点を渡った。
近づいて、あらためてカンバンをしっかり見た。
すると、隠れていた文字がそこにあった。
《
いるか釣具店》
なんと、
いるかという名前の店だったのだ。
具店が、手前の屋根に隠れて見えなくなっている。
「ああ~良かったぁ~」
思わず、胸を撫でおろした。
いるかに対して申し訳ない想像までしてしまった。
お店に対しても、無神経な悪意を持ってしまった。
誤解とは、こんなに簡単に生じるものかと、恥じ入ってしまう。
イルカが、釣り針にかかった経験がある。
与論島から船で40分ほど走ったあたりに、
浮きブイがある。
浮き漁礁と呼ぶ。
2000mもの深さまでロープをたらし、
海面に、直径2mほどのブイを浮かべておくのである。
それだけのことで、魚のたまり場になる。
猟師は、その周りで、マグロを釣るのだ。
釣り船をチャーターすると、その漁礁まで行ってくれる。
2キロ、3キロのキハダマグロが、バンバン釣れる。
その時だった。
ギュ~~~ン!
釣り糸が、いっきにもっていかれた。
ラインが、どんどん出ていき、とまらない。
すると、はるか遠くで、バシャっ!
イルカだ!
針にかかったマグロを、更に、いるかが食ったのだ。
イルカをナメてはいけない。
どんな大きなマグロでも、イルカの力にはかなわない。
なんたって、尻尾が横向けにドルフィンしている。
高さ5mも空中に飛び出したり出来る脚力だ。
プッツン!
釣り糸は、いとも簡単に切られてしまった。
《イルカは、釣るものではない》
北アルプス燕岳 イルカ岩