
本日、朝10時から、サッカーワールドカップの日本戦が、
ブラジルで行われ、テレビで中継される。
4年間、待ちに待った日である。
その時間、私は、飛行機から降り立ち、
新幹線で某所に向かっている予定だ。
ま、いわゆる仕事である。
それはそれで仕方ない。
生放送が見られない職業の方は大勢いる。
録画して、あとで観ようと考える。
さあ、その<あと>まで、結果を知らずに過ごせるだろうか?
世の中には、結果をいち早く知らせようと、
あちらこちらに、
手ぐすねが引かれている。
恐らく、今日も、そうに違いない。
初めて会う方なのに、名刺がわりに、喋り始める人がいる。
「イシマルさん、負けちゃいましたネ」
あるいは、昼食会の時のご挨拶かもしれない。
「本日は、日本が勝った勢いで我々もですナ・・よりよき」
悪気ではなく、私を喜ばせようとして、結果を教えてくれるらしい。
「結果、ご存知ですか?」
『いや、まだ・・(帰ってから録画で)』
「ジャ~~~ン」
私の顔面の前に、スマホを突きつける。
ニュース映像が流れている。
彼の顔は嬉々としている。
結果を人に教えるのが、嬉しいらしい。
「ジャ~~~ン!」
人に会うたびに、やっている。
さて、もし、この情報強引開示人間をくぐり抜けたとして、
世の中には、ありとあらゆる手を使って、
私の目に耳に、結果を知らせようとしてくる。
列車内のテロップは危ない。
チラとでも見たら、すぐに意味を理解する。
空港の案内表示にも気をつけよう。
最近は、飛行機の機長が、親切にも、
結果を機内アナウンスしてくれる。
「皆様、機長の小林でございます。地球の裏側では、
3対1で、ニッポンが・・」
耳を塞ごう。
駅や、空港で、人々の会話から気を逸らさなければならない。
そして、危険なのは、うつむいて歩くことだ。
足元に落ち散らばっている、紙に注意しなければならない。
それは・・・<号外>だ。
新聞社が、配る号外には、大きな大きな文字が書かれてある。
0,1秒でも目に入れば、
真意が脳にしみこむ。
本日の日帰りで、私が結果を知らずに帰ってくる確立は・・
3%・・・あるかな。