東京は、築地に魚河岸がある。
そのすぐ近くのホテルに泊まる日がある。
連泊する日々にも恵まれる。
恵まれると言ったのは、実際恵まれているのだ。
朝、ホテルで朝日を浴び、伸びをする。
「さて、朝飯食いにいくかな?」
ここで、ホテル内の朝食コーナーには行かない。
新聞片手に、外に出かけるのである。
そこは、もうすでに、魚河岸の場外である。
場外には、いくたあまたの店が、文字通り軒を連ね、
早朝から、魚系の食事をさせてくれる。
海鮮丼なんてのは、当たり前、寿司にカレーに蕎麦、
ウナギにモツ丼・・・
とても、朝とは思えないほどの食事風景が繰り広げられる。
しかも、観光客でごった返している。
寿司屋を梯子する客すらいる。
(私のことか)
カウンターに座る客の足元には、
買い求めたザルや、魚の骨抜き、
出し巻き卵なんてのが見え隠れしている。
(俺のことか)
「おっ、あんちゃん、今日もお休みかい?」
毎日通る店の前では、お決まりの声がかかる。
しかし、毎朝毎朝、
朝っぱらから寿司を腹におさめているってのは、
どうなんだろう?
栄養的に問題ないのだろうか?
もし問題ないのだとしたら、
私的には気にいっているんですけんど。
5日、朝寿司を続けて解った。
寿司は飽きない。
起きぬけに、毎朝食べているのに、飽きる気配がない。
築地の雑踏を・・魚まみれのカンバン舞う路地を、
散歩していると、口中に涎が泡吹き、
寿司を食す戦闘態勢ができあがる。
「よおし、ど~んと落ちてこい!」
腹も腹を据えている。
いざ、寿司三昧!
いざ、寿司まみれ!
いざいざ、寿司狂い!
24時間寿司が食える店だってある