京都、南座(みなみざ)は昭和4年に建てられた。
土台には、大理石が敷き詰められている。
何度か改修されているのだが、設計された基本は変わらない。
この建造物内が、非常に面白い。
モロッコの旧市街マラケシュを思わせる迷路となっている。
通路は曲がりくねり、のたくり、ちょいと登ったり下ったり、
いったい何がどう悩んで、こんな迷路が出来上がったのか?
舞台の反対側に向かうのに、外の太陽を拝んだりする事すらある。
この洞窟好きで方向感覚に優れていると自負している私でさえ、
右往左往・・
横移動でさえ、難しい通路事情に対応しなければならないのに、
これが、上下移動ともなると、これまた大変!
基本的にエレベーター利用になるのだが、
役者が出番で舞台に向かうのに、
エレベーター待ちをしなければならない。
「うわぁ~4階で止まってるぅ~」
「下に行きたいのに、上に行っちゃったぁ~」
悶々とする出演者が、エレベーター前に溜まる。
「間に合うかなあ~?」
実際、過去に、間に合わなかった方がおられて、
あせった挙句、
《エレベーター内で、セリフを喋り出した》
というほほ笑ましいエピソードがある。
勿論、喋ったところで、客席に届く筈もないのだが・・・