《佐藤蛾次郎》
御年、69才。
寅さんの柴又のお寺、
帝釈天題経寺(たいしゃくてんだいきょうじ)の、
境内を掃除していたパンチパーマの兄いである。
昨日も、ご一緒の芝居の旅で、とある地方の劇場にいた。
楽屋で鏡前に座っている蛾次郎さんが突然おっしゃる。
「この楽屋、時計がないんだネ」
振り返った共演者達の指が一点に向かう。
そこは、蛾次郎さんの頭上であった。(冒頭写真)
「アハハ、灯台もと暗しだったネ」
いつもひょうひょうとしたオイチャンなのだ。
この蛾次郎という芸名。
その昔、テレビ映画「神州天馬侠」という松竹制作の、
関西テレビ系列で連続放送していたドラマがあった。
吉川英治原作の、劇中に登場した人物が、蛾次郎であった。
その役名をそっくり頂いて、佐藤蛾次郎と名乗ったのだヨと
今、隣で語ってくれている。
このオイチャン、思いのほか小さい。
かなり小さい。
吉本新喜劇のメダカさんと双璧かもしれない。
だが、本人は・・
「やっぱ、年とると、縮むネ」
昔はそれなりに大きかったと胸を張っている。
・・・ほんとかナ?